Buon giorno!こんにちは。
ヨーロッパの代表的な犯罪といえばやっぱりスリ!
現在ヨーロッパに1年以上滞在しているのですが、私もスリとは何度か遭遇しています。幸運にも今まで貴重品を盗られたことは一度もありませんが…。
狙われないに越したことはないのですが、ずっと旅をしていると狙われざるを得ない(?)シチュエーションというのがどうしても発生してしまいます。
というかそもそも日本人女性というだけで狙われやすいですしね(汗)。
というわけで今回は狙われやすい状況や狙われてもスられない防犯の仕方などを私の実際の体験談とともにご紹介します。
実際に遭遇したスリ5パターン
私はヨーロッパで何度もスリに狙われたことがある、と冒頭に書きましたが、実際に接触までされたのが気づいている範囲で4回。
実は私が気づいていないだけで狙われていたり、手出しまではされなかったけど目をつけられた、などを含めるともっとだと思います。
ここでは実際にスリに接触までされた4度の体験談と、私がスられた訳ではないのですが、目撃してしまったスリの瞬間の合わせて5パターンを書いていきます。
①駅構内のカフェで子供に… inパリ
まずは大学生のころ、パリ北駅かな?での出来事です。
駅構内のカフェで友達とお茶していたら、何やら資料(ファイルのようなもの)を持った10歳前後の男の子2人が近づいてきました。
資料を私たちの前に出してきて、何やらフランス語で話しかけてきます。
そのとき私はショルダーバッグを開けっ放しで斜めがけしたまま座っていたのです。
ハッと気づいて、慌ててバッグに手をやると、男の子の手と接触…!
手はすぐに引っ込んで、男の子たちはそそくさと去っていきました。
何事もなかった友達は「何だったんだろね〜今の?」と言っていましたが、確実にバッグ開けっ放しで座っていた私を狙ったスリで、手でバッグを抑えるのがほんの少し遅ければスられていたはずです…。
これは完全なる不注意ですね。
②カラクリ時計を眺める人混みに紛れて… inプラハ
これまた大学時代の旅行でのお話。知らないおじさんがスられる瞬間を目撃してしまいました。
プラハの旧市街広場でからくり時計を見学していたときです。
私は友人とツアーに参加していて、添乗員さんも「ここはスリがいるから気をつけてくださいね〜」と言っていました。
からくり時計が動きだす時間になると広場は観光客でいっぱいに。そして時間になるとみんな一斉に上を向いてからくり時計を眺めます。
そんなときにふと視線を落とすと…観光客のおじさんのズボンの後ろポケットに入った財布をお兄さんが盗った…!!
そのままお兄さんは観光客に紛れてどこかへ行ってしまいました。
本当に無防備にお尻のポケットに財布を入れている人がいるもんなんだ…と逆にびっくりした出来事でした。
③人気のない駅でお兄さん達につけられて… inパリ
またまたパリですが、こちらは今回の旅中の出来事です。
こちらの記事にチラッと書いたのですが、モンサンミッシェルへOuibusで向かうため、メトロの始発でラ・デファンス駅へ向かいました。
ラ・デファンス駅はメトロだけでなくRERやトラムも通っている大きな駅なのですが、始発の時間ということもあり、人気はほとんどありませんでした。
バスターミナルがどこかわからなかったので、キョロキョロしながら歩いていると、少し離れたところから付いてくる若い男性二人組が…。
私はこの時は1泊2日でモンサンミッシェルに行ったため、1日分の着替えなどの入ったリュックを背負って、貴重品は小さなポシェットに入れて斜めがけしていました。
ちなみに私の使用しているバッグの一覧はこちら。
2人組はずーっと、少し離れたところを歩いているので、怪しいけれど気にしないようにしていたのですが…エスカレーターに乗った瞬間、すぐ後ろに乗ってきました。
そして私のリュックの外ポケットを開けようとしてきます。
この2人組はスリが下手くそで(笑)、チャックを開けようとしているのが感覚でもわかりました。
そこで後ろを振り向くと、あからさまに腕を組んで目をそらし(笑)、私が前を向くとまたチャックを開けようとする…というのを繰り返していました。
エスカレーターを降りたあともしつこく付いてきたので、適当に歩きまわって巻いてから、無事バスターミナルに到着しました。
④人通りの多い道でおじさんがぶつかってきて…? inナポリ
これは実は、どのタイミングでスリに遭遇したのかは定かではないのですが、ナポリ駅周辺での出来事です。
移動日でスーツケースにボストンバッグ、リュックにポシェットとフル装備でナポリ中央駅から徒歩10分ほどのホステルへ向かっているときのこと。
ナポリは、駅から続く大通りでも道がガッタガタでなかなか前に進めず…ポシェットをプラプラさせていたら視線を感じたのでそれも抑えつつ、ヒーヒー言いながらホステルへ到着しました。
すると、リュックの外ポケットが全開になってる…!
外ポケットには買い物袋と、ダミーとして小さい単語帳を入れていました。その単語帳だけがなくなっていたのです。
唯一思い当たるフシといえばおじさんが後ろからぶつかってきたこと。
でもその瞬間に盗ったんだとすればおじさん凄すぎだし、他のタイミングで別の人にスられたんだとしても、チャックを開けられたことに全く気づきませんでした。
⑤夜明け前に信号待ちをしていたら… inロンドン
最後はほんの数ヶ月前、夜行バスでロンドンに到着したときのことです。
これまた全ての荷物を持って歩いていたときのこと。まだ日が昇る前の早朝、暗い時間帯でした。
ビクトリアコーチステーションからビクトリア駅に向かって歩いていて、信号待ちをしていると、背後に女性が近づいてきました。
私は駅はどっちだろう、とスマホをいじっていて、気づいていないと思ったのかその女性は私のリュックを開け始めたのです。
とっさに体ごと振り返ると、女性は何事もなかったかのように道路を渡って逃げて行きました。
そしてビクトリア駅に着くと、別のターゲットを品定めでもしているのか?ベンチに座っている彼女を発見してしまいました(笑)。
スリの被害に遭わないために意識すること
これらの経験を踏まえて、まずはどのようなときにスリに狙われやすいのか、被害に遭わないためにどんなことを意識すべきを紹介していきます。
気をつけるべき場所
上記5つの体験談全てに共通して言えるのが、スリに遭遇した場所は大都会の観光客がたくさん集まる場所であるということです。
スリからしてみれば都会は観光客が多いのでターゲットもたくさんいますし、人混みに紛れて逃げるのも容易です。
ぶっちゃけ“国”はあまり関係ないと思います(EUの国境なんてあってないようなものだし…)。
治安がいいと言われている北欧でも大都市や観光名所ではスリや置き引きはたくさん起きているし、危険だ危険だと騒がれるイタリアやスペインでも、田舎に行ったら日本と同じような感覚でもスられることなんてほぼないでしょう。
そもそもヨーロッパの田舎の人口密度で、バッグに手の届くほどの距離まで知らない人に近づかれたらそれだけで警戒すると思います(笑)。
というわけで
- 大都市
- ターミナル駅とその周辺
- 観光地や観光客の多い場所
を歩くときは、常にバッグを狙われている!ぐらいの意識でいることが大切です。
気をつけるべき時間帯
気をつけるべき時間帯は、ずばり人気のない時間帯です。
人が多い時間帯なら、満員電車などの混雑した場所でない限り、スリの現場が人目に付きやすいです。
一方、人気のない時間帯だと誰も見ていないので、特にリュックなど自分の目の届かないところにある荷物は狙われやすいです。
周りに人がいないのに異様に近づいてくる人がいたらかなり怪しいです。人気のない時間帯に出歩かなければいけないときは、こまめに後ろを振り返るようにしましょう。
ちなみに、人気のない時間帯=暗い時間帯 ではありません。
上記の④⑤はどちらも早朝6時台で、ロンドンは冬だったしもちろんまだ夜明け前だったのですが、フランスは夏でもう日は昇っていました。
そもそも、「暗い時間帯に外を出歩かないように」という注意をよく見かけますが、それを忠実に守っていたら冬の北欧ではほとんど1日中外に出られないことになってしまいます(笑)。
逆に夏場はヨーロッパは朝4時台から明るいところや、夜10時を過ぎても明るいところもあり、日が出ているからといって安心していると危ないです。
国にもよりますが、日本人は基本的にヨーロッパ人より朝が早いので(笑)、感覚的には夜よりも朝に注意です。23:00〜7:00くらいに出歩くときは気をつけた方がいいかな、と感じました。
また南欧はシエスタ(お昼休憩)の習慣があり、お昼過ぎも人気がなくなるので注意が必要です。
気をつけるべきタイミング
上記の場所や時間帯とあわせて、スリに狙われやすいタイミングとして、
- 荷物をたくさん持っているとき
- バッグを開ける必要のあるとき
- スマホやガイドブックを見ているとき
- 立ち止まったとき
などが挙げられます。
荷物をたくさん持っているとき
は、全ての荷物を常に目の届くところに置いておくのが難しく、注意力散漫になりがちです。
かつ空港やターミナル駅など、スリも荷物の多い観光客が多いのをわかって狙っています。
私の場合は④や⑤のように、やはり目の届きにくいリュックが狙われるので、リュックには貴重品を入れない(入れたとしても盗りづらい場所)ようにしています。
バッグを開ける必要のあるとき
というのは、お会計のときや駅で切符を買うときなど。
これも、荷物をたくさん持っているときと同じく、別の荷物もある場合は注意力が散漫になります。
またお財布を出したスキに(バッグが開けっ放しで)スマホなどを盗まれる、ということや、①の私のようにお金を払ったあとのバッグの閉め忘れにも注意が必要です。
スマホやガイドブックを見ているとき
は、これまたやはり意識がスマホやガイドブックのほうにいってしまい、荷物への注意や周囲への警戒がおろそかになりがちです。
またスマホやガイドブックなどで手がふさがってしまうため、スリに狙われたときに防御がしづらいです。
そのため荷物を持っていて、かつ地図などを見なければならないときは、荷物を安全なところへキープして、どこか立ち止まれる場所で見たほうが良いのですが…
立ち止まったとき
も残念ながら狙われやすいタイミングです。
お互いに動いているよりも止まっているときの方がチャックなどを開けやすいため、体験談の③や⑤のように、エスカレーターに乗った瞬間や横断歩道の信号待ちで止まったときを狙って手を出してくることもあります。
このように、気をつけてはいても狙われやすいタイミングというのは出てきてしまうと思います。
事前にできる対策
そこで、狙われてしまってもなるべく被害に遭わない、被害を最小限にとどめるための対策も必要になってきます。
貴重品(現金)はなるべく持たない&分散させる
まずはもし万が一スられてしまったときの対策として、貴重品を分散させておくことは大切です。
私はクレジットカードを5〜6枚持っているのですが、メインで使っているエポスカード(VISA)と、VISAカードが使えないときのためにマスターカードを1枚、定期入れに、他のカードをカードケースと長財布に数枚づつ、別々の場所に入れています。
現金は普段は基本10〜30ユーロしか持ち歩かず、残りはスーツケース数ヶ所(内ポケットから奥の方まで、ノートの間なども含めあちこち)とリュックにも分散させて保管しています。
クレジットカードは最悪盗まれたら止めることができますが、現金は盗まれたらそれで終わりです。
実際現金をそんなに持っていなくても、数十ユーロ以上の支払いをするのにクレジットカードが使えない、という店はそうそうないので、そんなに困ったことはありません。(窮地に立たされたのはオランダのスーパーくらい…?)
宿に貴重品置きっぱなしで大丈夫なの…?と思ったかたはこちらもどうぞ。
盗られやすい場所に貴重品を入れない
盗られやすい場所とは具体的に
- 全てのポケット
- 自分の後ろ側(視界の範囲外)
- 口の閉じない(or簡単に開けられる)場所
などです。
全てのポケット
超あたりまえの対策なんですが、体験談②のおじさんのように意外といつものクセでポケットに財布を入れてしまっていたり、
面倒でちょっとの間ならいいだろう、とバッグの外ポケットにスマホなどの電子機器を入れてしまったり、ということがありえます。
ズボンの後ろポケットはもちろんですが、洋服、バッグ問わず「ポケット」に貴重品を入れるのはNGです。
まぁ田舎のほうに滞在しているときはポッケにスマホと小銭入れだけ入れてその辺を散歩したりしていますが…(笑)、観光地ではやめたほうがいいと思います。
自分の後ろ側(視界の範囲外)
主にリュックのことです。
手前側に(明らかに貴重品の入っていそうな)ポシェットを持っていても、いつも狙われるのはリュックです。
スリは基本的には貴重品以外のものは盗まないので(私は単語帳を盗まれましたが…(笑))、割り切ってリュックには大事なものは入れない、とするのもひとつの手です。
また、開けづらいリュックを選ぶのも有効です。
私は↓このようながま口リュックを使っているのですが、
チャックを半分以上開けないと手が入らないので、スるのに時間がかかります。
がま口ではなくても、開け口が2重になっているものや
防刃でチャックも見えないようになっているというようなものもあります。
口の閉じない(or簡単に開けられる)場所
上記でリュックは開けづらいものを、と書いたので繰り返しになりますが、口の閉じないバッグやマグネットなどで簡単に開けられるものはたとえリュックでなくても危ないです。
そういったバッグを持ち歩いてはいけない、というわけではなく、そこに貴重品を入れてはいけません。
私もスーパーで買い物をするときなどはいつもマイバッグ(トートバッグ)を持っていくのですが、買い物後にはそこに間違っても財布を一緒に入れてしまわないように気をつけています。
実際には被害にあっていないのですが、トートバッグはひったくりにも遭いやすいとよく聞くので、食品などしか入れないようにしています。
おわりに
長々と書いてしまいましたが、これらを知っておくだけでもスリの被害はある程度防げると思います。
ヨーロッパのスリは大抵こちらが気付けば逃げていくので(南米やアフリカは知りません、たぶん事情が異なります)、狙われている、スられそうになっていると気づけることが大事です。
と言いつつ残り1ヶ月弱の旅でスリに遭ったら元も子もないので、私も今一度気を引き締めていこうと思います。